軽装備 light-armed STR 2003 6 17
「軽装備」
「すぐ展開」
「目的が完了すれば、すぐ撤収」
こういう組織が、これからの時代には、必要となるかもしれない。
もちろん、効率化された重装備の組織ならば、残す必要がある。
これは、銀行のことである。
優秀なインストアブランチ部隊を常に保有しておいて、
ニーズがあると判断したら、あるいはニーズを開拓する必要があると判断したら、
目的地である有力な小売りの大型店舗に、
すぐ展開し、すぐ営業に取りかかる。
市場を十分、開拓したら、重装備の支店を開店させる。
そして、インストアブランチ部隊は、目的が完了したので、
すぐ撤収して、次の目的地へ展開する。
インストアブランチ部隊は、優秀な銀行員、3名程度で十分でしょう。
3名程度で、後は、インテリジェントATMを設置すれば、対応可能でしょう。
現在のATMは、あまりに低機能で、
パソコンを使い慣れた預金者には、物足りない。
低機能ATMをインテリジェントATMに変えるべきである。
パソコンを使い慣れた預金者は、現在では、膨大な数になる。
そういう預金者から見れば、今の低機能ATMは、
預金者をバカにしたように見える。
しかし、現在の激動の時代では、
重装備の支店そのものを解体して、
全部、インストアブランチ部隊にしてもよいかもしれない。
この方が、コスト削減にもなるし、
失敗すれば、すぐ撤退できるので、リスク削減になる。
また、地域住民のニーズに、すぐ、対応できる。
すぐ、出店というか、すぐ展開できる。
また、軽装備なので、土日などの週末営業しても、
コスト高にならない。
インテリジェントATMとインストアブランチ部隊で、
銀行そのものが、軽装備になる。
今になってみれば、銀行業界が、一番、ハイテク化が遅れている。
インストアブランチ要員が、ローンや資産運用の相談業務をし、
インテリジェントATMが、新規口座開設や、定期預金業務を行なう。
これで、銀行の収益が改善する。
さて、銀行と似た組織がある。
それは、軍隊である。
一般的に、軍隊は、重装備で、すぐ動けない。
たとえば、陸軍を1万人動かすとなると、
すぐ、明日からという訳にいかない。
十分な準備に時間がかかり、
現地に到達するまでに時間がかかり、
現地で設営するまでに時間がかかる。
今も昔も、軍隊というものは、
実際に戦う戦士よりも、後方の兵士の方が多いかもしれない。
設営部隊、輸送・補給部隊、通信部隊、衛生部隊。
こういう具合に1万人規模の軍隊となると、
ひとつの町が移動するようなものである。
しかしながら、アメリカ対ソ連の時代ならともかく、
もう、陸軍対陸軍の大規模な戦いは、ないかもしれない。
あるいは、海軍対海軍の大規模な戦いは、ないかもしれない。
そうすると、銀行のインストアブランチ部隊のように、
軍を改革する必要があるかもしれない。
従来の陸軍は、軽装備化し、
治安回復と治安維持を主な目的とする組織に変える必要がある。
陸軍に警察的な要素を持たせることである。
軍隊のインストアブランチ部隊は、命令があれば、
12時間以内に基地から出発し、12時間以内に紛争地域に展開する。
こういう組織形態になると、
空軍も海軍も陸軍も、その区別が不要となる。
航空機で紛争地域に兵士を運ぶが、
紛争地域は、陸上とは限らない。
紛争地域は、海上もありえる。
航空機で、陸上にも海上にも展開できる部隊が必要になるかもしれない。